「大学発ベンチャー」

- 経済まめ知識 -

登録番号:SL18-X03-016

Monthly Column (2018年5月25日号)

近年ロボットの開発が進んでいますが、先日、臭いをかぎわける犬型ロボット が開発され話題になりました。15センチほどのぬいぐるみ型で、足がくさい と気絶したり、くさくないと喜んだりする様子がメディアにも取り上げられ ました。

これは北九州工業高等専門学校発ベンチャーの合同会社が開発・販売したもの ですが、この会社の本業はメカトロニクス製品の受託開発。企業からの依頼を 受け医療教育用実験装置などオリジナル装置を開発しています。犬型ロボット は、会社の開発力を実感してもらい、本業につなげるための試作品だったそう です。

これは高等専門学校の例ですが、経済産業省のホームページによると、大学も 負けていません。大学発ベンチャーは1,851社(現在は2千社超)、その内 黒字化した割合は55.7%(平成27年度調査)だとか。この調査の大学発 ベンチャーとしての定義は、研究成果ベンチャー(大学で達成された研究成果 に基づく特許や新たな技術・ビジネス手法を事業化する目的で新規に設立され たベンチャー)、協同研究ベンチャー(創業者の持つ技術やノウハウを事業化 するために、設立5年以内に大学と共同研究等を行ったベンチャー)、技術 移転ベンチャー(既存事業を維持・発展させるため、設立5年以内に大学から 技術移転等を受けたベンチャー)、学生ベンチャー(大学と深い関連のある ベンチャー)、関連ベンチャー(大学からの出資がある等その他、大学と深い 関連のあるベンチャー)とされています。

イノベーションの担い手として期待される「大学発ベンチャー」ですが、 私たちが報道などで耳にするのは、その内のほんの一握り。国立研究開発法人 科学技術振興機構では、大学等における研究開発成果を用いた起業や、企業等 から大学発ベンチャーへの支援等をより一層促進することなどを目的に、表彰 の場を設けています。昨年は、新たに創業まもない若手起業家を奨励する 「アーリーエッジ賞」を設け、既存の乳がん検診・診断装置の課題を克服する 乳房用超音波画像診断装置の開発・製造に取り組む企業が受賞。実用化に向け て期待が集まっているようです。

<出典>
●「大学発ベンチャーデータベース」(経済産業省)
 (http://www.meti.go.jp/policy/innovation_corp/univ_startups_db/)