"There is no talking here."
(ここではお喋りをしてはいけません。)
解説
人に禁止や命令や忠告をするときも言葉の丁寧性が求められます。たとえ相手のためになる内容であっても、ずばり言われると不愉快になるからです。相手を不愉快にさせてはこちらの意が伝わりにくいわけですから、すんなりと受け止めてもらうためにはできるだけ不愉快にさせないように気を配る必要があります。「ここでお喋りをしてはいけません」は英語で言えば "You shouldn't talk here." ですが 'you' を主語に立てますと角が立ちきびしく聞こえます。さてどうしたらいいでしょう? "You shouldn't talk here"(ここでお喋りをしてはいけません)の 'You' を沈める一つの方法ととして "There is no 〜ing" の構文を利用する手があります。"There is no talking here."とするのです。"You shouldn't smoke here." は "There is no smoking here."(ここでの喫煙はご遠慮ねがいます)とすればいいですね。「禁煙」という掲示はこの構文の"There is"が省略された形です。「追い越し禁止」は "No passing" です。"You don't need to worry."(ご心配にはおよびません)は "There is no need to worry." とします。