「百戦百勝」
- 生活&社会 -登録番号:SL24-X03-060
Monthly Column (2025年1月25日号)
米相場と株式相場において成功を収めた昭和時代の立志伝中のひとりで現ヤマタネの創業者、山崎種二を描いた城山三郎氏の経済小説『百戦百勝』には副題に「働き一両・考え五両」とあります。これは情報を使い知恵を絞って工夫することは、与えられた仕事をただ一生懸命こなすより何倍もの成果を生みだすという意味です。
「働き一両・考え五両」の出処は上杉鷹山の「働き一両、考え五両、知恵借り十両、コツ借り五十両ひらめき百両、人知り三百両、歴史に学ぶ五百両、見切り千両、無欲万両」のようです。この上杉鷹山は、歴代の米国大統領であるセオドア・ルーズベルトやジョン・F・ケネディ、ビル・クリントンらが日本人の政治家の中で一番尊敬している人物として挙げたという逸話でも有名な江戸時代中期の米沢藩第9代藩主です。
近年の物価高騰や複雑で不安定な国際情勢下、日本中そして世界中が混迷する時代には、情報を使い知恵を絞って工夫することの重要性はなお一層高まるばかりです。