「仰ったことがよく分からないのですが。」
英文
"I don't agree with you."
"I don't quite agree with you."
"I'm sorry I don't quite understand what you said."
解説
人が同意してくれないのは快いことではありません。ですから不同意を告げるときには、できるだけ不快の程度を小さくするように、気配りするのが礼儀です。
「あなたの言うことには同意できない、賛成できない」と言うときに、'I don't agree with you.'と言いますと、これは'I agree with you'(あなたに同意する)が否定されたのですから、同意できる要素はゼロということになります。そのように全面否定したのでは相手の「めんつ」(face)は丸潰れです。
そこで、実際にはこれによく'quite'を添えて、'I don't quite agree with you.'という表現を使います。これは、'I quite agree with you.'(すっかり同意する)が否定されるのですから、同意できる要素が大部分だが「すっかり」と言うには至らない、という意味になります。部分否定というのは、このように相手の言い分を大部分認めた上で、一部分を否定する形ですから、相手の「めんつ」に対する気配りが感じられます。
このように'quite'は表現を和らげる上でとても大切な役割を果たす語です。いま少し用例を示しておきましょう。
'I'm sorry I don't quite understand what you said.'
(すみません、おっしゃったことがどうもよく分からないのですが。)
'I'm afraid Idon't quite see what you're driving at.'
(何がおっしゃりたいのかよく分からないのですが。)